枳佐加比売命を祀る神社は?加賀神社・加賀の潜戸・岐佐神社の参拝ガイド【アクセス・注意点】

光を呼ぶ枳佐加比売命のイメージ 神社ガイド

枳佐加比売命(きさかひめのみこと)を祀る神社の中心は、島根県松江市島根町の加賀神社です。

『出雲国風土記』と『延喜式』の両方に載る古社で、主祭神が枳佐加比売命。もとは、佐太大神が生まれた洞窟「加賀の潜戸」の中に祀られていたとされます。

出雲以外では、静岡県浜松市の岐佐神社が、貝の女神二柱を祀る式内社として知られています。

この記事では、それぞれの行き方と注意点、確認できていない情報を整理しました。

参拝前に知っておきたい3つのこと

  1. 加賀の潜戸の遊覧船は3月〜11月の運航。天候で欠航する。
  2. 加賀神社の御朱印・授与品は、確認できていない。事前確認がおすすめ。
  3. 鳥取の赤猪岩神社は神話の舞台だが、枳佐加比売命は祭神ではない。

この記事の書き方
島根県雲南市を拠点に、出雲国風土記ゆかりの神々を調べています。神社の情報は、風土記・神社の案内・参拝記録を分けて書き、確認できていないことは「確認できていません」と明記します。

祀る神社の早見表

神社 所在地 祭神との関わり 特色
加賀神社 島根県松江市島根町加賀 主祭神 風土記・延喜式の古社。潜戸が元の鎮座地
岐佐神社 静岡県浜松市中央区舞阪町 祭神(蛤貝比売命とともに) 式内社。境内に赤石
天前社 島根県出雲市(出雲大社境内) 祭神(蛤貝比売命とともに) 「看護の神」と紹介される
赤猪岩神社 鳥取県南部町 祭神ではない(神話の舞台) 蘇生神話ゆかりの地

加賀神社(松江市島根町)

所在地 島根県松江市島根町加賀。加賀の浜を過ぎて東へ曲がった先、島根体育館の手前(松江の神社紹介サイトによる)
祭神 主祭神:枳佐加比売命。配祀:猿田彦命・伊弉諾尊・伊弉冉尊・天照大神
格式 『出雲国風土記』所載社(加加社)、『延喜式神名帳』所載社
別称 潜戸大明神、潜戸大神宮
祭り 10月21日 社人祭、10月29日 乙九日祭。20年ごとに式年遷宮があり、正遷座祭で曳船行事が行われる
アクセス 加賀の潜戸(マリンプラザしまね)はJR松江駅から車で約35分、バスで約50分。加賀神社は同じ加賀地区にある。

由緒:潜戸から現在地へ

加賀神社は、もともと加賀の潜戸の中に祀られていました。のちに、現在の陸上の地に遷座したと伝わります。

神社の記録では、戦火で古い記録が失われたため創立年代は不明。万治2年(1659年)に再創立された、とされています。

祭神が変わっていた時代がある

これは、他のサイトではあまり語られない話です。

江戸時代の地誌『雲陽誌』では、加賀神社(潜戸大明神)の祭神は、伊弉諾尊・伊弉冉尊とされていました。記紀神話の影響を受けて、天照大神の誕生神話になぞらえた形に変わっていたのです。

現在は、風土記に立ち返って枳佐加比売命が主祭神。伊弉諾尊・伊弉冉尊・天照大神は配祀の形になっています。佐太神社の祭神の移り変わりとも歩調が合っている、と指摘されています。

見どころ:北前船の絵馬

加賀は、北前船の風待ち港として栄えました。加賀神社には、船の安全を祈って奉納された大きな絵馬が6枚残っています。武者絵馬と船絵馬があります。

神社が「海の安全」を祈る場所だったことを、いまに伝える資料です。ご利益については枳佐加比売命のご利益で解説しています。

雲南市から加賀神社まで車で約1時間。
松江駅からだと車だと約20分。

島根県の東部の北側の宍道湖よりも北の海に面している松江市島根町に神社があります。

松江市より北へ向かって車で約40分くらいでしょうか。(私の住む雲南市からだと車で1時間かからないくらい)松江市の市街地から北上し、山間の景色、そして海岸線へ景色が様々な色を見せていき、雰囲気も田舎特有のノスタルジックな感じになっていきます。

駐車場は神社周辺にあるのですが数台しかとめられないので、参拝のタイミングは調べていきましょう。観光地であるような大型駐車場はありません。

神社は地域に根付いた雰囲気で、加賀神社は「加賀の潜戸(かかのくど)」とも深くかかわりがあり、太古から大切にされてきた神社です。 社殿には江戸時代に北前船の風待ち港として栄えたことで、とても大きな絵馬が掲げられています。歴史や神話をちゃんと知っていくことでより重みや深さを感じることができると思います。

加賀の潜戸と遊覧船

加賀の潜戸と遊覧船

日本海特有の海の深い青の色や、風の強さ、太古からの神々の息吹などを体いっぱいに感じることができるかもしれません。

加賀神社の元の鎮座地で、佐太大神が生まれた場所。それが加賀の潜戸です。神話の舞台を、船で体験できます。

  新潜戸(神潜戸) 旧潜戸(仏潜戸)
位置 潜戸鼻の先端 陸寄りの断崖
特徴 高さ約40m・長さ約200m、三つの入口をもつ大洞窟。佐太大神の誕生地とされる 奥行き約50m。夭折した子どもの霊が石を積む「賽の河原」の伝承
遊覧船での見学 船で洞内を通り抜ける 船を降りて見学できる

遊覧船の基本情報

  • 所要時間:約50分(新潜戸・旧潜戸を巡るコース)
  • 運航期間:3月〜11月
  • 乗り場:加賀港のマリンプラザしまね
  • 天候が悪いとき、海が荒れたときは欠航。当日の運航状況は電話で確認
  • 料金は改定されることがあるため、公式サイトで確認(加賀潜戸遊覧船)
  • 問い合わせ:松江観光協会 島根町支部 0852-55-5720

遊覧船のほか、陸上からの歩道も整備されています。

風土記には、この洞窟のあたりを通るときは大声を出せ、という決まりが記されています。神話を知ったうえで乗ると、景色の見え方が変わります。

岐佐神社(浜松市)

岐佐神社(浜松市)

出雲から遠く離れた静岡県にも、貝の女神を祀る式内社があります。

所在地 静岡県浜松市中央区舞阪町舞阪
祭神 蚶貝比売命(赤貝の神)・蛤貝比売命(蛤の神)
格式 『延喜式神名帳』所載の式内社(遠江国 敷智郡)。舞阪の氏神
見どころ 境内の「赤石(赤猪石)」。大国主命の神話にちなむ石とされる
祭り 舞阪大太鼓まつり
公式サイト https://www.kisa-jinja.jp/

由緒:津波で漂着した社

神社の由来記によると、1498年(明応7年)の大地震と津波で、舞阪の里は多くの家とともに海に流されました。その後、柳の古木の下に小さな祠が漂着していたため、里人が社殿を造って祀ったのが、現在の鎮座地だとされます。

社号の「岐佐」は、この土地の古い名「象島(きさしま)」に由来するという説明があります。赤貝(キサガイ)がよく採れたことから、と伝わります。

ご利益と御朱印

神社の案内では、貝の神様であることから、水産・漁業の守り神として漁民に信仰されてきたとされています。また、大国主命を復活させたことから、病気平癒・身体健全・開運厄除・商売繁盛にご利益があるとされます。

御朱印は、2017年の参拝記録では、宮司宅で書いてもらったとされています。現在の対応は確認できていません。事前に公式サイトで確認してください。

出雲大社の天前社

出雲大社の境内にも、貝の女神が祀られています。

  • 正式名:神魂伊能知比売神社(かみむすびいのちひめのかみのやしろ)。通称は天前社(あまさきのやしろ)。
  • 祭神:蚶貝比売命・蛤貝比売命。
  • 位置:御向社の東側に並んでいる。
  • 造営:延享元年(1744年)。筑紫社・御向社とともに「脇宮三社」と呼ばれる。

出雲市の案内では、大国主大神が兄神たちから大火傷を負わされたとき、治療して助けた女神を祀る、と説明されています。

命主社(いのちぬしのやしろ)と混同しないでください。
出雲大社の東にある命主社(神魂伊能知奴志神社)は、二柱を遣わした神産巣日神を祀る境外摂社です。天前社は貝の女神の社、命主社はその親神の社です。→神皇産神命を祀る神社の記事

参拝できる範囲は、出雲大社の境内の案内表示に従ってください。大国主神と出雲大社については大国主神の記事をご覧ください。

赤猪岩神社は祭神が違います

赤猪岩神社

鳥取県南部町の赤猪岩神社は、大国主命の蘇生神話の舞台として知られます。ただし、枳佐加比売命を祀る神社ではありません。

  • 主祭神:大国主命。刺国若比売命、素戔嗚尊、稲田姫命を合祀。
  • 境内には、大国主命が抱いて落命したと伝わる赤猪岩が、しめ縄で封印されている。
  • 神社庁の由緒によれば、社の西方約400mに「蚶貝蛤貝(きさがいうむぎ)の清水」と呼ばれる湧水がある。二柱の女神が治療に用いたと伝わる水。

蘇生神話の詳しい経緯は宇武賀比売命の神社ガイドでも紹介しています。

あわせて知りたい:佐太神社

枳佐加比売命の子、佐太大神を祀るのが、松江市鹿島町の佐太神社です。風土記の「大神」の一柱を祀る古社で、同社では佐太大神を猿田彦大神と同じ神としています。

猿田彦命との関係は猿田彦命の記事をご覧ください。母神の加賀神社と、子の佐太神社。神話の親子をたどる参拝も、おすすめの楽しみ方です。

参拝の作法・御朱印・確認先

参拝の作法

一般的な参拝の流れ(手水→賽銭→二礼二拍手一礼)で問題ありません。神社の掲示がある場合はそれに従ってください。出雲大社の境内では、出雲大社の作法(二礼四拍手一礼)が正式とされています。

御朱印・お守り

加賀神社の御朱印・授与品について、公式な情報は確認できていません。岐佐神社は、上に書いたとおり、過去の参拝記録では宮司宅で対応された例があります。

事前の確認先

  • 松江観光協会 島根町支部(加賀地区・遊覧船):0852-55-5720
  • 岐佐神社公式サイト:https://www.kisa-jinja.jp/

モデルコースの考え方

島根半島を巡るなら、次の順序がおすすめです。所要時間は道路状況や運航状況で変わるので、地図アプリと運航情報で確認してください。

  1. 加賀神社:まず母神に参拝。元の鎮座地が潜戸であることを頭に入れておく。
  2. 加賀の潜戸の遊覧船:3月〜11月。荒天時は欠航。
  3. 佐太神社(余力があれば):子の佐太大神を祀る古社。
  4. 出雲大社の天前社:貝の女神を祀る社にも立ち寄る。

よくある質問

枳佐加比売命を祀る神社はどこですか?

中心は、島根県松江市島根町の加賀神社です。ほかに、静岡県浜松市の岐佐神社、出雲大社の天前社が、蚶貝比売命として祀っています。

加賀神社で御朱印はもらえますか?

確認できていません。授与の有無や社務所の状況は公式な情報が見つからなかったため、事前に確認することをおすすめします。

加賀の潜戸の遊覧船はいつ乗れますか?

運航は3月から11月までです。天候が悪いときや海が荒れているときは欠航になるため、当日の運航状況を電話で確認してください。

赤猪岩神社は枳佐加比売命を祀っていますか?

いいえ。赤猪岩神社の主祭神は大国主命で、刺国若比売命・素戔嗚尊・稲田姫命を合祀しています。大国主命の蘇生神話の舞台として知られる神社です。

岐佐神社はどんな神社ですか?

静岡県浜松市舞阪にある式内社で、蚶貝比売命と蛤貝比売命を祀ります。境内には赤石があり、漁業の守り神として信仰されてきました。

参考文献・出典

※最終確認日:2026年9月21日。運航状況・授与品・参拝の可否は変わることがあります。訪問前に最新情報をご確認ください。

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