日本神話がわかる漫画おすすめ10選|古事記入門から出雲神話・大人向けの名作まで【目的別

日本神話を漫画にした書籍のイメージ 日本神話

※本記事はプロモーションを含みます。紹介する作品は、編集部が内容を確認したうえで選んでいます。

「日本神話を漫画で知りたいけれど、どれから読めばいい?」――結論から言うと、最初の1冊は目的で選ぶのが正解です。

この記事では、神話の舞台・島根県雲南市で神話を発信している編集部が、実在の作品だけを、対象年齢・巻数・古事記への忠実さで比較して10作品を紹介します。読み終えたあとに行ける「漫画の聖地」もあわせてどうぞ。

【早見表】日本神話がわかる漫画おすすめ10選

横にスクロールできます。「忠実さ」は古事記の原文にどれだけ沿っているかの編集部の目安です(★が多いほど原文に近い)。

作品 こんな人に 対象 巻数 忠実さ
1. まんが古事記(講談社) 親子で読みたい 小学生〜大人 1冊 ★★★
2. まんがで読む古事記(学研) 小中学生の学習に 小学生〜中学生 1冊 ★★★
3. マンガ 面白いほどよくわかる!古事記(西東社) 図解でサクッと 中学生〜大人 1冊 ★★★
4. 古事記(里中満智子) 物語の美しさ重視 中学生〜大人 全2巻 ★★★★
5. 古事記 マンガ日本の古典(石ノ森章太郎) 1冊で全体を通読 中学生〜大人 1冊 ★★★★
6. まんがで読む古事記(久松文雄) 全編を漫画で読破 中学生〜大人 全7巻 ★★★★★
7. ぼおるぺん古事記(こうの史代) 原文の響きも味わう 高校生〜大人 全3巻 ★★★★★
8. マンガで親しむ出雲神話(山陰中央新報社) 出雲神話を子どもと 小学生〜大人 全4巻 ★★★
9. 水木しげるの古代出雲(角川文庫) 出雲の謎に迫る 中学生〜大人 1冊 ★★
10. ナムジ/神武/ヤマトタケル(安彦良和) 大人の歴史ロマン 大人 4+4+6巻 ★(大胆に再解釈)

日本神話の漫画|失敗しない選び方3つ

1. 「学びたい」か「物語に浸りたい」かを決める

日本神話の漫画は、古事記の内容をそのまま伝える「入門・学習系」と、神話をもとに作者が物語を作った「創作系」に分かれます。神話そのものを知りたいなら、まずは入門系から。創作系は、あらすじを知ってから読むと何倍も楽しめます。

2. 対象年齢と読みやすさを見る

小学生には、解説コラムつきの学習まんがが向いています。大人なら、1冊で全体を通読できるものか、巻数があっても原典に忠実なものかで選びましょう。

3. 「どこまで描かれているか」を確認する

古事記は、神々の物語(上巻)と、天皇の物語(中巻・下巻)の3部構成です。多くの入門まんがは神々の物語が中心で、天皇の時代はダイジェストか省略されます。全編を読みたい人は、巻数のある作品を選びましょう。古事記の全体像は日本神話あらすじ完全ガイドでもまとめています。

古事記の流れがわかる入門まんが(7作品)

1.『愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記』ふわこういちろう(講談社)

こんな人に:子どもと一緒に、日本神話を初めて読む人

やわらかい絵柄で、天地のはじまりから天岩戸、天孫降臨までの神々の物語を描いた1冊です。天皇の時代はダイジェストで紹介されます。神様の系図、Q&A、神社参拝のガイドまでついているので、読み終えたあとに神社へ行きたくなる構成です。監修は國學院大學で神道を学んだ戸矢学さん。

著者 ふわこういちろう(監修:戸矢学)
出版社 講談社(2015年)
範囲 神々の物語が中心+天皇の時代はダイジェスト/電子版あり


編集部スタッフも自分の子どもと一緒に読んでくれたのですが、難しい神様の名前や系譜も、可愛らしいイラストと軽快な会話劇のおかげでスムーズに頭に入ったようです。子供には難しい名前が多い神話ですが、やはりこういった工夫はありがたいですね。コラムが充実しており、読後にすぐ現地の神社へ行きたくなる1冊でした。

2.『まんがで読む古事記』(学研まんが日本の古典)

こんな人に:小学生・中学生の学習用、自由研究のきっかけに

学研の学習まんがシリーズ。テンポよく読めるまんがと、内容を補足するコラムの組み合わせで、「物語」と「知識」を同時に押さえられるのが強みです。出版社の対象は小学生〜中学生。

著者 監修:竹田恒泰/まんが:館尾冽 ほか
出版社 Gakken
範囲 古事記の主要エピソード+解説コラム


3.『マンガ 面白いほどよくわかる!古事記』かみゆ歴史編集部(西東社)

こんな人に:大人が図解でサクッと全体像をつかみたい

歴史の本を多く手がける編集プロダクションによる、マンガと図解の入門書。漫画を読み物として楽しむというより、「要点を整理して理解する」ための1冊です。神様の関係が複雑で混乱しがちな人に向いています。

著者 かみゆ歴史編集部
出版社 西東社
範囲 マンガ+図解で全体像/電子版あり

神様同士の関係をもっと整理したい人は、日本神話の家系図もあわせてどうぞ。


4.『古事記』里中満智子(小学館)

こんな人に:物語としての美しさを味わいながら、全体を知りたい大人

『天上の虹』などの古代史漫画で知られる里中満智子さんによる古事記。原典の流れに沿いながら、神々の感情が丁寧に描かれているのが魅力です。単行本は全2巻(壱・弐)、文庫版は上下巻で出ています。

著者 里中満智子
出版社 小学館(マンガ古典文学シリーズ)
範囲 古事記全体/全2巻(文庫は上下巻)

5.『古事記 マンガ日本の古典1』石ノ森章太郎(中公文庫)

こんな人に:大人が1冊で古事記の流れを通読したい

『サイボーグ009』の石ノ森章太郎さんが描いた、中央公論社「マンガ日本の古典」シリーズの第1巻。1冊で古事記の流れを一気に読めるのが最大の強みで、大人の入門書として長く読み継がれています。文庫版のほか、読みやすいワイド版もあります。

著者 石ノ森章太郎
出版社 中央公論新社(中公文庫/ワイド版)
範囲 古事記の流れを1冊に凝縮/電子版あり


友人の子供は勉強用や自由研究で読みたいとのことで購入していましたが、物語の面白さと解説のバランスがよく読みやすかったといっていました。
私自身も本編以外にコラムで歴史的背景や神社の祭神まで学べるのはとても信頼できると感じました。

6.『まんがで読む古事記』久松文雄(青林堂)

こんな人に:神々の物語から天皇の時代まで、古事記を全部漫画で読みたい

出版社が「古事記全編の漫画化」とうたう全7巻のシリーズ。最終巻は雄略天皇から推古天皇の時代まで描かれ、ほかの入門まんがでは省略されがちな中巻・下巻もしっかり読めます。作者の久松文雄さんは2021年に亡くなりましたが、本作は完結しています。

著者 久松文雄
出版社 青林堂
範囲 古事記全編/全7巻・完結/電子版あり

7.『ぼおるぺん古事記』こうの史代(平凡社)

こんな人に:あらすじは知っている。次は古事記の原文の響きも味わいたい

『この世界の片隅に』のこうの史代さんが、ボールペン1本で描いた古事記。セリフに古事記の原文をそのまま使い、絵で意味がわかるように工夫されています。全3巻(天の巻・地の巻・海の巻)で、神々の時代(上巻)を描いています。2冊目、3冊目に読むと味わいが深まる作品です。

著者 こうの史代
出版社 平凡社
範囲 古事記上巻(神々の時代)/全3巻/電子版あり

出雲神話を深く読む(2作品)

ヤマタノオロチ退治、因幡の白兎、国譲り……日本神話の名場面の多くは、出雲が舞台です。出雲神話の全体像は出雲神話とは?で地図つきで解説しています。

8.『マンガで親しむ出雲神話』(山陰中央新報社)

こんな人に:出雲神話を、子どもと一緒に地元目線で読みたい

島根県の地元新聞社が出版した、出雲神話のまんがシリーズ全4巻。第1巻『スサノオ』は天地のはじまりからヤマタノオロチ退治まで、続く巻はオオクニヌシの試練・国づくり・国譲りを描きます。神話ゆかりの地の地図がついているので、読んだあと実際に訪ねる旅のガイドにもなります。

著者 構成:酒井董美 ほか/作画:小室孝太郎 ほか
出版社 山陰中央新報社(島根県松江市)
範囲 スサノオ〜オオクニヌシの国譲り/全4巻


大人になり15年近くも前に出版されたと知ったときは懐かしい感覚になりました。作中の風景が現存の史跡などそのもので、歴史として神話をとても身近に感じられました。巻末の地図がより分かりやすさにつながっています。

この巻に登場する神様:須佐之男命/櫛名田比売/大国主神

9.『水木しげるの古代出雲』水木しげる(角川文庫)

こんな人に:「出雲はなぜ国を譲ったのか?」という謎に興味がある大人

出雲に近い鳥取県境港市で育った水木しげるさんが、古事記の出雲神話と考古学の発見を重ねて、国譲りに隠された謎に迫る作品です。神話をそのまま読むより、「出雲と大和の関係」を考えるきっかけになる1冊。文庫版には美保関のフィールドワーク編も収録されています。

著者 水木しげる
出版社 KADOKAWA(角川文庫・2015年)
範囲 出雲神話・国譲りの考察/1冊/電子版あり

国譲りの神話は事代主神とは?や建御雷神の記事でも解説しています。

物語として楽しむ大人向けの名作

10. 安彦良和の古事記シリーズ『ナムジ』『神武』『ヤマトタケル』

こんな人に:神話を「もし本当にあった歴史だったら」と考えながら、重厚な物語に浸りたい大人

『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインで知られる安彦良和さんが、古事記を実在の人間たちの歴史ドラマとして大胆に描き直したシリーズです。神話の知識がある人ほど「あの場面をこう解釈したか」と驚かされます。

  • 『ナムジ』:若き日の大国主(ナムジ)が、出雲の鉄の鉱山で働く奴隷から、国の主へとのし上がっていく物語。
  • 『神武』:ナムジの息子ツノミが、イワレヒコ(のちの神武天皇)の東征に関わっていく続編。
  • 『ヤマトタケル』:英雄ヤマトタケルを描いた作品。作者は「日本神話を題材に描くのはヤマトタケルまで」と語っています。
巻数 ナムジ 全4巻/神武 全4巻/ヤマトタケル 全6巻(いずれも完結)
出版社 KADOKAWA(角川コミックス・エース)、中公文庫コミック版 など
注意 神話をそのまま描いた作品ではないので、あらすじを知ってから読むのがおすすめ


歴史ファン・漫画ファンから熱狂的な支持を得ているシリーズ。古代の出雲を舞台にしたドラマなど作者安彦良和氏による重厚な歴史解釈には感銘すら覚えました。この作品は大人の方に読んでいただきたい作品です。

関連記事:大国主神の正体とは/神日本磐余彦尊(神武天皇)とは

番外:『宗像教授伝奇考』星野之宣

民俗学者の宗像教授が、各地の伝説や神話に隠された謎を解き明かす伝奇ミステリーです。日本神話そのものの入門書ではありませんが、「神話の裏側を推理する」楽しさを味わえる大人向けの名作。文庫版は全7巻で、完全版も出ています。

迷ったらこの順番で読もう

  1. 入口:子どもと読むなら『まんが古事記』(講談社)、大人なら石ノ森章太郎『古事記』で全体をつかむ
  2. 深める:気に入った場面が出雲なら『マンガで親しむ出雲神話』、原文に興味が出たら『ぼおるぺん古事記』
  3. 浸る:あらすじが頭に入ったら、安彦良和『ナムジ』で歴史ロマンの世界へ

読んだら行きたい!漫画に登場する神話の聖地(島根)

漫画で心に残った場面は、実際にその土地に立つと、さらに印象が深まります。島根県には、漫画で描かれる場面の伝承地が今も残っています。

漫画の場面 ゆかりの地 場所
ヤマタノオロチ退治 天が淵(オロチの棲み家と伝わる淵)、八口神社 雲南市
スサノオとクシナダヒメの新居 須我神社(「日本初之宮」) 雲南市
クシナダヒメの誕生 稲田神社 奥出雲町
オオクニヌシの国づくり 出雲大社 出雲市
国譲り 稲佐の浜、美保神社 出雲市・松江市

オロチ退治の舞台はヤマタノオロチの伝承地を解説した記事で詳しく紹介しています。

作中でキャラクターたちが活躍した聖地を、実際に自分の足で巡るのも日本神話漫画の大きな楽しみ方です。雲南市にはオロチが棲んだと伝わる「天が淵」や、スサノオが詠んだ日本初の和歌の舞台「須我神社」など、漫画の感動がそのまま蘇るスポットが点在しています。ここ島根で、あなただけのお気に入りの名場面を見つけてみませんか?

漫画の次は、映像で神話の世界へ

Next Z-oneでは、雲南市に伝わるヤマタノオロチ退治などの神話をAI映像で再現し、地元での上映会や聖地巡りを企画しています。

神話AI映像プロジェクトを見る →

日本神話の漫画についてよくある質問

Q. 子どもに一番おすすめの日本神話の漫画は?

A. 親子で読むなら講談社の『愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記』、学習用なら学研の『まんがで読む古事記』がおすすめです。出雲神話に絞るなら、地図つきの『マンガで親しむ出雲神話』も読みやすいシリーズです。

Q. 大人が1冊で古事記の全体をつかむなら?

A. 石ノ森章太郎の『古事記 マンガ日本の古典』です。1冊で古事記の流れを通読できます。もう少しじっくり読みたい人には、里中満智子の『古事記』(全2巻)が向いています。

Q. 古事記の原文に一番忠実な漫画は?

A. 全編を漫画化した久松文雄の『まんがで読む古事記』(全7巻)と、セリフに原文をそのまま使ったこうの史代の『ぼおるぺん古事記』(全3巻)です。

Q. 安彦良和の『ナムジ』は、神話の勉強になりますか?

A. 古事記をもとにしていますが、神話を歴史ドラマとして大胆に描き直した創作です。神話の内容を知るためというより、あらすじを知ったうえで「別の解釈」を楽しむ作品として読むのがおすすめです。

Q. 日本神話は実話に基づいているのですか?

A. 歴史上の事実そのものではなく、古代の人々が自然や国の成り立ちを説明するために語り継いできた物語です。ただし、出雲と大和の関係など、当時の地域や豪族の歴史が反映されているという研究もあります。

まとめ:まずは目的に合った1冊から

日本神話の漫画は、入門まんがで全体をつかみ、気になった場面を深める作品へ進むのがいちばん楽しめる読み方です。神話の世界にハマったら、ぜひ物語の舞台・島根にも足を運んでみてください。

あわせて読みたい:日本神話に登場する神の一覧/日本神話の女神一覧/日本神話の神器18選

参考文献・出典

  • 講談社「愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記」製品詳細
  • Gakken「まんがで読む古事記」作品ページ
  • 中央公論新社「マンガ日本の古典1 古事記」書誌情報
  • 青林堂(GARO WEB)「まんがで読む古事記」作品ページ
  • 平凡社「ぼおるぺん古事記」書誌情報
  • 山陰中央新報社「マンガで親しむ出雲神話」書誌情報
  • KADOKAWA「水木しげるの古代出雲」書誌情報
  • Wikipedia「ナムジ」「神武 (漫画)」「ヤマトタケル (安彦良和の漫画)」
  • 倉野憲司 校注『古事記』岩波文庫

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