【40柱以上】日本神話の女神一覧!役割・神話エピソードから神社まで解説

神話の中に登場する女神さまの一覧イメージ 神様図鑑

日本神話に登場する女神たちは、太陽や海、自然の恵みや美しさを司る個性豊かな存在です。本記事では、代表的な40柱の役割やエピソード、参拝できる神社までを、早見表・五十音順・属性別の3つの探し方でまとめました。

『古事記』『日本書紀』を中心に、祝詞や『出雲国風土記』など出典が異なる神、後世の信仰で女神とされた神も、出典を区別したうえで収録しています。気になる女神が見つかったら、それぞれの個別記事もあわせてご覧ください。

日本神話の女神は何柱?数え方と出典の違い

女神が何柱いるかは、対象とする文献や「女神」の定義によって変わります。『古事記』『日本書紀』に登場する神に絞るか、祝詞(大祓詞)や『出雲国風土記』まで含めるか、原典に性別の明記がない神をどう扱うかで数え方は変動するため、本記事では出典を明記したうえで、代表的な女神40柱を一覧にまとめました。

日本神話の女神一覧|重要度別の早見表

第1グループ:まず知っておきたい主要女神10柱

「日本神話の女神」と聞いてまず名前が挙がるのは、この10柱です。「宗像三女神」は田心姫神・湍津姫神・市杵島姫命の3柱をまとめた呼び方のため、1グループとして数えています。

女神名(読み)出典主な役割・神徳ゆかりの伝承・エピソード代表的な神社
天照大御神
(アマテラスオオミカミ)
古事記・日本書紀太陽神・高天原の最高神天岩戸に隠れ世界が暗闇に包まれた「天岩戸伝説」伊勢神宮(三重県)
伊邪那美命
(イザナミノミコト)
古事記・日本書紀創造神・国土と神々の母イザナギと共に国生み・神生みを行う/黄泉の国伝説多賀大社(滋賀県)など
木花咲耶姫
(コノハナサクヤヒメ)
古事記・日本書紀美・桜・火難除け・安産ニニギの妻/身の潔白を証明するため火中で出産富士山本宮浅間大社(静岡県)
櫛名田比売
(クシナダヒメ)
古事記・日本書紀稲田・農耕の守護・夫婦円満スサノオによって八岐大蛇の犠牲から救われる八重垣神社(島根県)など
須勢理毘売命
(スセリビメ)
古事記試練克服・夫婦円満・内助の功スサノオの娘/試練に立ち向かう夫オオクニヌシを助ける出雲大社(島根県)など
天宇受売命
(アメノウズメ)
古事記・日本書紀芸能・舞踊・開運天岩戸の前で面白おかしく舞い、アマテラスを引き出す猿田彦神社・天鈿女神社(三重県)
豊玉毘売命
(トヨタマビメ)
古事記・日本書紀海・安産・皇室の祖先海神の娘/ヤマサチヒコと恋に落ち出産時に本来の姿を見せる鵜戸神宮(宮崎県)など
玉依姫命
(タマヨリビメ)
古事記・日本書紀安産・皇統の祖豊玉毘売命の妹。姉に代わりウガヤフキアエズを養育し、後に結婚。神武天皇の母玉前神社(千葉県)など
宗像三女神
(ムナカタサンジョシン)
古事記・日本書紀海上安全・交通安全・道開きの神田心姫・湍津姫・市杵島姫の3柱で海を守護宗像大社(福岡県)
豊受大御神
(トヨウケビメ)
古事記・日本書紀・伊勢神宮の信仰食物・衣食住・産業の守護アマテラスの食事(神饌)を司る女神伊勢神宮 外宮(三重県)

第2グループ:神話・信仰で重要な女神

第1グループほどの知名度ではないものの、神話や後世の信仰を理解するうえで欠かせない女神たちです。記紀だけでなく、祝詞にのみ記された神、原典に性別の明記がない神も含まれるため、「出典」欄もあわせてご確認ください。

女神名(読み)出典主な役割・神徳ゆかりの伝承・エピソード代表的な神社
八上比売
(ヤガミヒメ)
古事記縁結び・美「因幡の白兎」でオオクニヌシに選ばれた絶世の美女売沼神社(鳥取県)
瀬織津姫
(セオリツヒメ)
祝詞(大祓詞)※記紀には登場せず水・祓い・浄化清らかな川の流れで人々の穢れや災いを祓い去る佐久奈度神社(滋賀県)など
棚機津女
(タナバタツメ)
民間伝承・七夕信仰 ※特定の神名として記紀には登場せず機織り・技術・七夕の願い神に奉納する衣服を織る女神/七夕の織姫の起源星田妙見宮(大阪府)など
宇迦之御魂神
(ウカノミタマ)
古事記・日本書紀 ※原典に性別の明記なし稲作・食物・商売繁盛お稲荷様として親しまれる生活と食物の守護神伏見稲荷大社(京都府)
下照姫命
(シタテルヒメ)
古事記・日本書紀美・光・安産・縁結びオオクニヌシの娘/国譲り神話に登場する艶やかな女神賣布神社(鳥取県)など
石長比売
(イワナガヒメ)
古事記・日本書紀長寿・不老(岩の永遠性)コノハナサクヤヒメの姉/醜さゆえニニギに返され、以後人の命は儚くなった川添神社(山梨県)など
大宜都比売神
(オオゲツヒメ)
古事記五穀・食物の起源スサノオに殺された体から粟・豆・稲などの穀物が生まれた上一宮大粟神社(徳島県)
保食神
(ウケモチノカミ)
日本書紀 ※男神とする説もあり食物・穀物の神『日本書紀』でツクヨミに殺され、その死体から五穀や家畜が生まれる保食神社(各地)
菊理媛神
(ククリヒメ)
日本書紀(一書)のみ ※古事記には登場せず縁結び・仲裁黄泉平坂でイザナギとイザナミの口論を仲裁した謎多き女神白山比咩神社(石川県)
罔象女神
(ミツハノメ)
古事記・日本書紀水・灌漑の神イザナミの尿から生まれた、農業に欠かせない水を司る女神丹生川上神社(奈良県)など
埴山姫神
(ハニヤスヒメ)
古事記・日本書紀土・大地の神イザナミの糞から生まれた、陶器や土器の材料となる土の女神各地の土師神社など
速開都比売神
(ハヤアキツヒメ)
祝詞(大祓詞)※記紀には登場せず祓い・浄化祓戸四神の一柱。海に流された罪穢れを飲み込んで清める各地の祓戸社
速佐須良比売神
(ハヤサスラヒメ)
祝詞(大祓詞)※記紀には登場せず祓い・浄化祓戸四神の一柱。根の国で罪穢れを完全に消し去る各地の祓戸社
萬幡豊秋津師比売命
(ヨロズハタトヨアキツシヒメ)
古事記・日本書紀機織り・養蚕天忍穂耳命の妻でニニギの母。天照大御神の子の妻となる各地の機織り関連社
神大市比売
(カムオオイチヒメ)
古事記穀物・市場の神スサノオの妻となり、宇迦之御魂神と大年神を生む各地の市神社など
木花知流比売
(コノハナチルヒメ)
古事記 ※系譜の異伝あり植物・繁栄大山津見神の娘。コノハナサクヤヒメの姉妹とされる資料により諸説あり
沼河比売
(ヌナカワヒメ)
古事記・出雲国風土記翡翠・恋愛成就越国の姫。大国主命が求婚の歌を贈った相手奴奈川神社(新潟県)
神屋楯比売命
(カムヤタテヒメ)
古事記安産・縁結び大国主命の妻の一柱。事代主神(恵比寿)の母美保神社(島根県)など
多紀理毘売命
(タキリビメ)
古事記・日本書紀海上安全・縁結び宗像三女神の一柱・田心姫神の古事記での名。大国主命の妻ともされる宗像大社
弟橘姫命
(オトタチバナヒメ)
古事記・日本書紀献身・海上安全日本武尊の妃。荒れる海を鎮めるため自ら入水した橘樹神社(各地)
阿加流比売神
(アカルヒメ)
古事記太陽の化身・渡来伝承朝鮮半島由来の伝承を持つ、赤い玉から生まれた女神比売許曽神社(大阪府)
大屋津姫命
(オオヤツヒメ)
日本書紀(一書)のみ ※古事記には登場せず樹木・植林の神五十猛神の妹。兄・妹(抓津姫命)と共に日本各地に木を植えた大屋都姫神社(和歌山県)
抓津姫命
(ツマツヒメ)
日本書紀(一書)のみ ※古事記には登場せず樹木・植林の神五十猛神の末妹。姉・大屋津姫命と共に日本各地に木を植えた都麻津姫神社(和歌山県)
石凝姥命
(イシコリドメ)
古事記・日本書紀鏡作り・金属工芸の神天岩戸神話で、アマテラスを誘い出す八咫鏡を鋳造した鏡作坐天照御魂神社(奈良県)

第3グループ:出雲国風土記など地域伝承の女神

『古事記』『日本書紀』には登場せず、『出雲国風土記』にのみ地名説話として記された、出雲・雲南ゆかりの女神たちです。全国的な知名度は高くありませんが、特定の土地に根差した伝承を伝える貴重な存在です。

女神名(読み)出典主な役割・神徳ゆかりの伝承・エピソード代表的な神社
天甕津日女命
(アメノミカツヒメ)
出雲国風土記のみ出雲国風土記の女神赤衾伊農意保須美比古佐和気能命の妻として、秋鹿郡伊農郷に登場出雲地方の地名伝承に登場
枳佐加比売命
(キサカヒメ)
出雲国風土記のみ出雲国風土記の女神神産巣日神の子。島根郡加賀神埼で子を産んだと伝わる加賀神社(島根県松江市)
宇武賀比売命
(ウムカヒメ)
出雲国風土記のみ出雲国風土記の女神神産巣日神の子として出雲国風土記の地名説話に登場出雲地方の地名伝承に登場
綾門比女命
(アヤトヒメ)
出雲国風土記のみ出雲国風土記の女神神産巣日神の子として出雲国風土記の地名説話に登場出雲地方の地名伝承に登場
真玉着玉之邑日女命
(マタマツクタマノムラヒメ)
出雲国風土記のみ出雲国風土記の女神神産巣日神の子で、大穴持命(大国主神)の妻となった女神出雲地方の地名伝承に登場
和加須世理比売命
(ワカスセリヒメ)
出雲国風土記のみ出雲国風土記の女神スサノオの子とされ、大穴持命(大国主神)の妻となった女神出雲地方の地名伝承に登場

女神名(青字)をクリックすると、個別記事または本記事内の解説箇所へジャンプできます。

この記事を書いているのは

この記事は、島根県雲南市を拠点とするNext Z-one(ネクストゾーン)が制作しています。上の第3グループに挙げた天甕津日女命・枳佐加比売命・宇武賀比売命・綾門比女命・真玉着玉之邑日女命・和加須世理比売命の6柱は、『古事記』『日本書紀』には登場せず、『出雲国風土記』にのみ地名説話として記された、出雲・雲南ゆかりの女神たちです。詳しい解説は出雲・雲南ゆかりの女神たちでまとめています。

本記事には、このほかにも櫛名田比売・須勢理毘売命・八上比売・下照姫命・神屋楯比売命・沼河比売など、出雲神話に登場する女神が数多く含まれています。私たちは地元の史跡を実際に訪ね歩きながら、こうした土地に根差した伝承もあわせて掘り起こし、AI技術での映像化に取り組んでいます。出雲神話や大国主神とのつながりについては大国主神・出雲大社まとめもあわせてご覧ください。

▶ 日本神話の映像化プロジェクトを見る

五十音順早見表|名前から探す

女神の名前は分かるけれど、読み方や詳しい内容を忘れてしまった――そんなときは、こちらの五十音順の表からも探せます。

読み(ひらがな)女神名
アカルヒメ(あかるひめ)阿加流比売神
(アカルヒメ)
アマテラスオオミカミ(あまてらすおおみかみ)天照大御神
(アマテラスオオミカミ)
アメノウズメ(あめのうずめ)天宇受売命
(アメノウズメ)
アメノミカツヒメ(あめのみかつひめ)天甕津日女命
(アメノミカツヒメ)
アヤトヒメ(あやとひめ)綾門比女命
(アヤトヒメ)
イザナミノミコト(いざなみのみこと)伊邪那美命
(イザナミノミコト)
イシコリドメ(いしこりどめ)石凝姥命
(イシコリドメ)
イワナガヒメ(いわながひめ)石長比売
(イワナガヒメ)
ウカノミタマ(うかのみたま)宇迦之御魂神
(ウカノミタマ)
ウケモチノカミ(うけもちのかみ)保食神
(ウケモチノカミ)
ウムカヒメ(うむかひめ)宇武賀比売命
(ウムカヒメ)
オオゲツヒメ(おおげつひめ)大宜都比売神
(オオゲツヒメ)
オオヤツヒメ(おおやつひめ)大屋津姫命
(オオヤツヒメ)
オトタチバナヒメ(おとたちばなひめ)弟橘姫命
(オトタチバナヒメ)
カムオオイチヒメ(かむおおいちひめ)神大市比売
(カムオオイチヒメ)
カムヤタテヒメ(かむやたてひめ)神屋楯比売命
(カムヤタテヒメ)
キサカヒメ(きさかひめ)枳佐加比売命
(キサカヒメ)
ククリヒメ(くくりひめ)菊理媛神
(ククリヒメ)
クシナダヒメ(くしなだひめ)櫛名田比売
(クシナダヒメ)
コノハナサクヤヒメ(このはなさくやひめ)木花咲耶姫
(コノハナサクヤヒメ)
コノハナチルヒメ(このはなちるひめ)木花知流比売
(コノハナチルヒメ)
シタテルヒメ(したてるひめ)下照姫命
(シタテルヒメ)
スセリビメ(すせりびめ)須勢理毘売命
(スセリビメ)
セオリツヒメ(せおりつひめ)瀬織津姫
(セオリツヒメ)
タキリビメ(たきりびめ)多紀理毘売命
(タキリビメ)
タナバタツメ(たなばたつめ)棚機津女
(タナバタツメ)
タマヨリビメ(たまよりびめ)玉依姫命
(タマヨリビメ)
ツマツヒメ(つまつひめ)抓津姫命
(ツマツヒメ)
トヨウケビメ(とようけびめ)豊受大御神
(トヨウケビメ)
トヨタマビメ(とよたまびめ)豊玉毘売命
(トヨタマビメ)
ヌナカワヒメ(ぬなかわひめ)沼河比売
(ヌナカワヒメ)
ハニヤスヒメ(はにやすひめ)埴山姫神
(ハニヤスヒメ)
ハヤアキツヒメ(はやあきつひめ)速開都比売神
(ハヤアキツヒメ)
ハヤサスラヒメ(はやさすらひめ)速佐須良比売神
(ハヤサスラヒメ)
マタマツクタマノムラヒメ(またまつくたまのむらひめ)真玉着玉之邑日女命
(マタマツクタマノムラヒメ)
ミツハノメ(みつはのめ)罔象女神
(ミツハノメ)
ムナカタサンジョシン(むなかたさんじょしん)宗像三女神
(ムナカタサンジョシン)
ヤガミヒメ(やがみひめ)八上比売
(ヤガミヒメ)
ヨロズハタトヨアキツシヒメ(よろずはたとよあきつしひめ)萬幡豊秋津師比売命
(ヨロズハタトヨアキツシヒメ)
ワカスセリヒメ(わかすせりひめ)和加須世理比売命
(ワカスセリヒメ)

属性・ご利益から探す女神たち

「縁結びの女神を知りたい」「海の神様を探している」など、ご利益や司る自然から女神を探したいときは、こちらをご利用ください。1柱が複数の属性にまたがる場合もあります。

天上界(高天原)を治める最高位の女神たち

天上界・高天原(たかまがはら)を治める女神たちです。太陽神・天照大御神を筆頭に、天と地を繋ぎ神々の秩序を保つ存在として、日本神話の中心的な役割を担っています。

太陽神・天照大御神(アマテラスオオミカミ)

太陽神・天照大御神(アマテラスオオミカミ)が天岩戸から出てくるシーン

天照大御神(アマテラスオオミカミ)は、太陽と光を司り高天原を治める神です。弟・須佐之男命との衝突で天岩戸に隠れ世界が闇に包まれた「天岩戸伝説」が特に有名で、天宇受売命の踊りと天手力男命の怪力によって岩戸が開かれ、世界に光が戻りました。伊勢神宮の主祭神として、今も多くの人々に崇敬されています。

鏡作りの女神・石凝姥命(イシコリドメ)

石凝姥命(イシコリドメノミコト)は、天岩戸神話で活躍した鏡作りの女神です。天照大御神を岩戸の外へ誘い出すため、天の安河の川上にある岩と鉄を使って八咫鏡(やたのかがみ)を鋳造したと伝えられます。鏡作りを担う一族の祖神とされ、奈良県の鏡作坐天照御魂神社などに祀られています。

創造神・伊邪那美命(イザナミノミコト)

伊邪那美命(イザナミノミコト)は、夫・伊邪那岐命と共に国生み・神生みを行った創造神です。火の神カグツチを生んだ際の大火傷がもとで黄泉の国へ旅立ち、後を追った伊邪那岐命との再会が叶わなかった「黄泉の国訪問」の物語は、生と死をめぐる日本神話屈指のエピソードとして知られています。国生みの詳しい神話や、夫婦の物語については伊邪那美命まとめで解説しています。

食物の女神・豊受大御神(トヨウケビメ)

豊受大御神(トヨウケビメ)は、稲作・農業・食を司る女神です。伊勢神宮外宮に祀られ、天照大御神の食事(神饌)を司る役割を担うことで知られ、毎年行われる神事では今も感謝が捧げられています。

豊受大御神は、食物を通じて人々の生活を支え、感謝の心を育む女神として日本神話において重要な役割を果たしています。伊勢神宮外宮への遷座の経緯や倉稲魂命との習合については豊受大御神まとめで詳しく解説しています。

地上界で人々と関わった女神たち

地上界で人々と関わった女神たちは、天上界の神々とは異なり、直接人々の生活や自然環境に影響を与える存在として描かれています。農作物の豊穣や家庭の繁栄を願う人々の信仰と結びつき、地域の祭りや神事にも深く根付いてきました。

絶世の美女・木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)

絶世の美女といわれている木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)のイメージ

木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)は、桜の花に象徴される絶世の美女です。山の神・大山津見神の娘で、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)と結ばれました。一夜で身籠ったことを疑われ、自ら火を放った産屋の中で無事に出産して潔白を証明した「火中出産」の物語で知られています。姉・イワナガヒメとのエピソードやご利益の詳細は木花咲耶姫まとめで解説しています。

稲田の守り神・櫛名田比売(クシナダヒメ)

櫛名田比売(クシナダヒメ)は、稲田を守る女神です。八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の生贄にされかけたところを素戔嗚尊(スサノオノミコト)に救われ、その妻となりました。「櫛」は美しさ、「名田」は田畑を意味するとされ、実り豊かな田を守る象徴として、農耕文化の中で大切にされてきました。

因幡の白兎に登場する八上比売(ヤガミヒメ)

八上比売(ヤガミヒメ)は、「因幡の白兎」の物語に登場する女神です。多くの神々に求婚されましたが、優しい心を持つ大国主命(オオクニヌシ)を選んだとされ、彼の最初の妻となりました。因幡の地に平和と繁栄をもたらした象徴として語り継がれています。

大国主命の妻・須勢理毘売命(スセリビメ)

須勢理毘売命(スセリビメ)は、須佐之男命(スサノオ)の娘で、大国主命(オオクニヌシ)の妻となった女神です。父から課された火中や毒蛇の部屋といった過酷な試練を、知恵と呪具(蛇の比礼など)で夫を助けて乗り越えました。情熱的で嫉妬深い一面も伝わりますが、夫を支え抜いた勇敢な妻として描かれています。

市場と商いの女神・神大市比売(カムオオイチヒメ)

神大市比売(カムオオイチヒメ)は、市場や商いを司る女神です。須佐之男命の妻となり、宇迦之御魂神(お稲荷様)と大年神を生んだと『古事記』に記されています。稲荷信仰の源流ともいえる母神で、商売繁盛を願う信仰と結びついてきました。子である宇迦之御魂神については倉稲魂命まとめもあわせてご覧ください。

自然を司る女神たち|海・川・山の神秘

海・川・山を司る女神たちです。宗像三女神は海の守護神、瀬織津姫は水と祓いの女神として、それぞれ古来より人々の生活に深く関わってきました。

海の守護神・宗像三女神(ムナカタサンジョシン)

海の守護神・宗像三女神(ムナカタサンジョシン)のイメージ

宗像三女神(むなかたさんじょしん)は、沖津宮の田心姫、中津宮の湍津姫、辺津宮の市杵島姫からなる海上交通の守護神です。宗像大社に祀られ、古代から海を渡る人々の心の支えとされてきました。市杵島姫命が弁財天と同一視されるようになった経緯は市寸島比売命まとめで詳しく解説しています。

水と祓いの女神・瀬織津姫(セオリツヒメ)

水と祓いの女神・瀬織津姫(セオリツヒメ)のイメージ

瀬織津姫(セオリツヒメ)は、清らかな水の流れで罪や穢れを祓う女神です。『古事記』『日本書紀』には登場せず、祝詞である大祓詞(おおはらえのことば)にその名が記された祓戸四神の一柱で、水神・龍神と同一視する説も後世に生まれた、謎多き神でもあります。

山を統べる大山津見神の姫神たち

大山津見神の娘たちは、山の豊かさと神秘を体現する存在です。木花咲耶姫や石長比売をはじめ、古代から山岳信仰と結びつきながら、日本の自然信仰において重要な役割を果たしてきました。父・大山津見神については大山津見神まとめで詳しく解説しています。

仲裁の女神・菊理媛神(ククリヒメ)

菊理媛神(ククリヒメ)は、黄泉平坂(よもつひらさか)で伊邪那岐命と伊邪那美命の口論を仲裁したと伝わる、謎多き女神です。『日本書紀』の一書にのみ登場し、『古事記』には記されていません。石川県の白山比咩神社(はくさんひめじんじゃ)の主祭神として、白山信仰の中心に祀られています。仲裁・縁結びの神話や白山信仰の詳細は菊理媛神まとめで解説しています。

樹木の女神たち|大屋津姫命と抓津姫命

大屋津姫命(オオヤツヒメ)と抓津姫命(ツマツヒメ)は、須佐之男命と櫛名田比売の子で、植樹神として知られる五十猛神の妹たちです。『日本書紀』の一書によれば、兄・五十猛神とともに日本各地をめぐって木の種を植え、緑豊かな国土をつくったと伝えられています。三兄妹は紀伊国(和歌山県)に祀られ、大屋津姫命は大屋都姫神社、抓津姫命は都麻津姫神社の祭神とされています。

それぞれの神話や、五十猛神との関係、祀られる神社の詳細は、大屋津姫命まとめ・抓津姫命まとめで解説しています。

生活と豊穣を見守る女神たち

人々の日常生活や豊穣を見守る女神たちです。機織りの棚機津女、稲作と食を司る宇迦之御魂神、芸能の天宇受売命など、暮らしに根差した役割を担ってきました。

機織りの女神・棚機津女(タナバタツメ)

棚機津女(タナバタツメ)は、神に捧げる衣を織る巫女的な存在です。古事記・日本書紀に固有の神名としては登場せず、後世に中国由来の織姫・牽牛伝説と結びつき、七夕の「織姫」のイメージが形成されたとされています。

稲作と食を司る宇迦之御魂神(ウカノミタマ)

宇迦之御魂神(ウカノミタマ)は、稲作・食物・商売繁盛を司る神です。原典に性別の明記はなく学術的には断定しない扱いが一般的ですが、後世の信仰では女神として描かれることが多く、京都の伏見稲荷大社を筆頭に「お稲荷様」として親しまれています。母神・神大市比売については上記の解説、狐が神使とされる理由など詳しくは倉稲魂命まとめで解説しています。

芸能の女神・天宇受売命(アメノウズメ)

天宇受売命(アメノウズメ)は、芸能・神楽の女神です。天照大御神が天岩戸に隠れた際、岩戸の前で踊りを披露して神々を笑わせ、天照大御神を引き出すきっかけを作りました。この踊りが神楽の起源とされています。夫となった猿田彦大神との出会いなど詳しくは天鈿女命まとめで解説しています。

出雲国風土記が伝える、出雲・雲南ゆかりの女神たち

『古事記』『日本書紀』には登場せず、『出雲国風土記』にのみ地名説話として記された6柱です。全国的な知名度は高くありませんが、いずれも神産巣日神(カミムスビ)の子とされ、出雲・雲南の土地に根差した伝承を今に伝えています。

天甕津日女命(アメノミカツヒメ)

天甕津日女命は、秋鹿郡伊農郷(現在の松江市)の地名説話に登場する女神です。赤衾伊農意保須美比古佐和気能命の妻とされ、出雲国風土記の中でも土地の由来を語る重要な存在です。詳しい神話や関連の神社は天甕津日女命まとめで解説しています。

枳佐加比売命(キサカヒメ)

枳佐加比売命は、神産巣日神の子として、島根郡加賀の地(現在の松江市)で子を産んだと伝わる女神です。地名「加賀」の由来説話に登場し、加賀神社に祀られています。詳しくは枳佐加比売命まとめをご覧ください。

宇武賀比売命(ウムカヒメ)

宇武賀比売命は、神産巣日神の子として出雲国風土記の地名説話に登場する女神です。大国主命の蘇生神話に関わる神ともされ、出雲・雲南の信仰を伝えています。詳しくは宇武賀比売命まとめをご覧ください。

綾門比女命(アヤトヒメ)

綾門比女命も、神産巣日神の子として出雲国風土記の地名説話に登場する女神です。地域に伝わる神社と参拝ご利益については綾門比女命まとめで解説しています。

真玉着玉之邑日女命(マタマツクタマノムラヒメ)

真玉着玉之邑日女命は、神産巣日神の子で、大穴持命(大国主神)の妻になったと伝わる女神です。朝山神社にゆかりが深く、詳しくは真玉着玉之邑日女命まとめで解説しています。

和加須世理比売命(ワカスセリヒメ)

和加須世理比売命は、須佐之男命の子とされ、大穴持命(大国主神)の妻になったと伝わる女神です。同じく大国主命の妻とされる須勢理毘売命との関係も含めて、和加須世理比売命まとめで詳しく解説しています。

木花咲耶姫・豊玉毘売命・下照姫命の物語に見る女神たちの個性

容姿の美しさが物語の重要な要素として描かれる女神たちです。ただし、女神の価値は外見だけで測れるものではなく、それぞれが持つ力や役割にこそ本質があります。ここでは、美しさにまつわる伝承を持つ代表的な女神たちを紹介します。

姉・石長比売との対比が示す「美しさと永遠」の物語

木花咲耶姫の姉・石長比売(イワナガヒメ)は、容姿を理由にニニギノミコトから実家へ返されてしまいます。父・大山津見神は「石長比売も共に迎えていれば天孫の命は岩のように永遠だったはずが、木花咲耶姫だけを選んだことで花のように儚くなるだろう」と嘆いたと伝えられ、人の命が永遠でない理由を説く神話として知られています。石長比売が縁結びや長寿の神として信仰されるようになった経緯は磐長姫命まとめで詳しく解説しています。

木花咲耶姫自身の基本的なプロフィールや火中出産のエピソードについては、上記の解説もあわせてご覧ください。

儚さと気品を持つ豊玉毘売命(トヨタマビメ)

豊玉毘売命(トヨタマビメ)は、海神・綿津見神の娘です。山幸彦と結ばれ、陸で出産する際「決して覗かないでください」と誓わせますが、約束を破られ本来の姿(八尋和邇)を見られた羞恥と悲しみから、子を残して海へ去りました。この子孫が後の天皇に繋がるとされています。父・綿津見神については綿津見神まとめで解説しています。

艶やかな伝承を残す下照姫命(シタテルヒメ)

下照姫命(シタテルヒメ)は、大国主命の娘で、その美しさと気品で知られる女神です。美しい光を放って暗闇を照らしたという逸話が伝わり、国譲り神話にも登場します。

女神にまつわる有名な日本神話のエピソード

天岩戸伝説、国生み神話、海幸山幸の物語など、女神が主役級で登場するエピソードは数多くあります。ここでは代表的な3つを、ゆかりの地とあわせて紹介します。

全国に伝わる天岩戸ゆかりの地

天岩戸伝説の舞台とされる場所は、宮崎県高千穂町の天岩戸神社が特に有名です。境内の御神体である洞窟は、天照大御神が実際に隠れたとされる場所として、現在も多くの参拝者を集めています。

天照大御神を岩戸から誘い出すために舞われたとされる踊りは、後に「神楽(かぐら)」の起源になったと伝えられています。高千穂をはじめ、全国各地に伝わる「岩戸神楽」や「岩戸開き」を題材にした神事は、この神話を今に受け継ぐ伝統芸能として大切にされています。天照大御神の基本的な物語については、上記の解説もあわせてご覧ください。

イザナギ・イザナミの国生み神話

伊邪那岐命と伊邪那美命は、天の浮橋から矛で海をかき混ぜ、滴り落ちた塩から最初の島・淡路島を生み出した創造神です。その後、四国や九州、本州などの島々や多くの神々を生みますが、伊邪那美命は火の神・カグツチを産んだ際の大火傷がもとで亡くなり、黄泉の国の神話へとつながっていきます。生命と死、再生をめぐるこの物語は、日本神話の中でも特に重要なエピソードです。

兄弟の対立から和解へ|海幸彦と山幸彦の物語

海幸山幸の物語は、豊玉毘売命との出会いだけでなく、兄弟である海幸彦(ウミサチヒコ)と山幸彦(ヤマサチヒコ)の対立と和解の物語でもあります。弟の山幸彦が兄の釣り針を失くしたことから始まった諍いは、山幸彦が竜宮で得た力(潮盈珠・潮乾珠)によって最終的に決着し、兄は弟に服従を誓います。

この物語は、単なる兄弟げんかの顛末ではなく、後の隼人(はやと)と大和朝廷の関係を説明する起源譚としても読まれてきました。山幸彦と豊玉毘売命の出会いや、出産をめぐる悲恋の詳細については、上記の解説もあわせてご覧ください。

女神を祀る全国の有名神社

女神たちは、日本各地の神社に祀られ、多くの人々に崇敬されています。ここでは代表的な4社を紹介します。

天照大御神を祀る伊勢神宮(内宮)

伊勢神宮(内宮、三重県伊勢市)は、天照大御神を祀る日本で最も重要な神社の一つです。皇室の祖先神として、古代から日本人の信仰の中心とされてきました。20年に一度、社殿を新しく造り替える「神宮式年遷宮」が行われることでも知られています。

木花咲耶姫を祀る富士山本宮浅間大社

富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)は、富士山の麓に鎮座し、木花咲耶姫を主祭神とします。富士山の火山活動を鎮めるための祈りの場として長い歴史を持ち、登山シーズンには山の安全を祈願する人々で賑わいます。

宗像三女神を祀る宗像大社

宗像大社(福岡県)は、田心姫命・湍津姫命・市杵島姫命の宗像三女神を祀り、沖津宮(沖ノ島)・中津宮・辺津宮の三つの宮からなります。沖ノ島は「海の正倉院」とも称されるほど多くの国宝を有し、古くから海上交通の要所として信仰を集めてきました。

菊理媛神を祀る白山比咩神社

白山比咩神社(石川県白山市)は、菊理媛神を主祭神とする、全国に約2,700社ある白山神社の総本社です。霊峰・白山への信仰と結びつき、縁結び・仲裁の神として古くから崇敬を集めています。

日本神話の女神に関するよくある質問

日本神話の最高神とされる女神は誰ですか?

日本神話において最高神とされる女神は、天照大御神(アマテラスオオミカミ)です。彼女は太陽を司る神であり、高天原(たかまがはら)という神々の世界を統治する存在として知られています。多くの神々の祖先とされ、特に皇室の祖先神としても信仰されています。彼女の物語や天岩戸伝説については、こちらで詳しく解説しています。

日本神話の女神は何柱いますか?

日本神話に登場する女神を何柱と一律に数えるかは、対象とする文献や「女神」の定義によって異なります。『古事記』『日本書紀』に限定するか、祝詞(大祓詞)や『出雲国風土記』まで含めるか、また原典に性別の明記がない神をどう扱うかによって、数え方は変わってきます。本記事では、記紀を中心に、出典が異なる神は区別を明記したうえで、代表的な40柱を一覧表にまとめています。

日本神話の女神の家系図はどうなっていますか?

日本神話の女神の家系図は、古事記や日本書紀といった古代の文献に基づいています。中心的な女神である天照大御神(アマテラスオオミカミ)は、伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)から生まれました。天照大御神は、月読命(ツクヨミノミコト)や須佐之男命(スサノオノミコト)と兄弟であり、それぞれ月と海を司る神として描かれています。さらに、天照大御神は天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)を生み、その子孫が地上の支配者であるとされています。

出雲国風土記だけに登場する女神たちについて教えてください

『出雲国風土記』には、『古事記』『日本書紀』に登場しない、出雲・雲南地方にゆかりの深い女神たちが記されています。天甕津日女命・枳佐加比売命・宇武賀比売命・綾門比女命・真玉着玉之邑日女命・和加須世理比売命の6柱は、いずれも神産巣日神の子とされ、地名の由来を語る説話に登場します。詳しくは出雲・雲南ゆかりの女神たちで解説しています。

日本神話の女神の名前の読み方や由来を知るには?

まずは古事記・日本書紀といった原典を参照するのが基本です。例えば「アマテラス」は「天を照らす」、「イザナミ」は「誘う者」を意味するなど、名前自体にその神の役割が表れていることが多くあります。本記事の五十音順早見表も、読み方の確認にお使いください。

女神を英語で表現するとどうなりますか?

一般的には「goddess」となります。天照大御神は「Amaterasu Omikami」、伊邪那美命は「Izanami no Mikoto」のように、名前をローマ字表記するのが一般的で、国際的な文献や観光案内でもよく用いられています。

まとめ:日本神話の女神たちを知る旅へ

日本神話の女神たちは、単なる美しさだけでなく、生命の創造や自然の威厳、情熱的な愛や試練を乗り越える力強さを兼ね備えています。

気になる女神が見つかったら、五十音順早見表や属性別の分類から関連する女神を探したり、個別記事でさらに詳しい神話やご利益、ゆかりの神社を確認したりしてみてください。背景やエピソードを知ることで、実際にその地や神社を訪れた際の感動や、日本の歴史・文化への理解が一層広がります。

📚 参考文献・出典・参照元

【原典・古代史料】

  • 『古事記』(太安万侶 撰 / 神代巻)
  • 『日本書紀』(舎人親王 等撰 / 神代上・下、および一書)
  • 『出雲国風土記』
  • 祝詞・大祓詞(延喜式所収)

【主要神社・公的機関資料】

  • 伊勢神宮(神宮司庁)公式サイト
  • 宗像大社 公式サイト
  • 富士山本宮浅間大社 公式サイト
  • 白山比咩神社 公式サイト
  • 大屋都姫神社・都麻津姫神社(紀伊国三所参り関連資料)
  • 鏡作坐天照御魂神社(石凝姥命ゆかりの神社)関連資料

各女神のより詳しい由来・系譜・現地情報は、本文中のリンク先である個別記事内でそれぞれ出典を明記しています。

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